第29回九州私立保育園研究大会速報
大会決議

子どもたちと保育を守る決議

 『みんなの笑顔がみたいから〜すべては子どもたちの未来のために〜』をメインテーマとして、ここ「太陽と緑の国」宮崎においての第29回九州私立保育園研究大会に1,000余名が集い、熱心な研究討議を行いました。
 いま政府においては、本年1月29日に閣議決定された「子ども・子育てビジョン」を基にした、「子ども・子育て新システム」についての検討が進められています。その基本制度案要綱は目的・方針を掲げるとともに◆政府の推進体制・財源の一元化◆社会全体(国・地方・事業主・個人)による費用負担◆基礎自治体(市町村)の重視◆幼稚園・保育所の一体化◆多様なサービスの一体化◆ワーク・ライフ・バランスの実現、といったような新しいシステムを実現するとしています。その議論は、検討会議作業グループ内に設置された「基本制度WT」「幼保一体化WT」「こども指針(仮称)WT」といった三つのワーキングチームに委ねられました。
 私たちは、その議論の在り方について注意深く見ていく必要があります。それは、「子どもたちの健全な育ちを保障できるのか」であります。それぞれのWT構成員には我々の代表が参画しているからといって、安心するのは早計です。現在、中央の保育三団体はまとまった動きをしていません。またそのほかの構成員も財源難にあえぐ政府の方針に沿った意見を述べる人が多数を占めているのです。
 次の時代を担う子どもたちを立派な国民として育成することにおいて、国がその責任から遠退いてよいのでしょうか。社会全体による費用負担の名のもとに、保護者負担がこれ以上増大してよいのでしょうか。基礎自治体重視の名のもとに、一部大都市の待機児童対策とも受け取られる保育制度改革によって、地方間格差が拡大してよいのでしょうか。また、幼保一体化・多様なサービスの名のもとに介護保険法や障害者自立支援法、さらには後期高齢者医療制度などがもたらした不幸に、例を重ねる不安を覚えます。
 私たちは、子どもたちの幸せやこの国の未来図を描くとき、このような懸念を拭い去ることができません。
 政府は来年1月までに議論を終え、3月の通常国会に法案を提出、平成25年度の施行(一部においては前倒し実施)を目指すとして大急ぎで作業を進めていますが、子どもたちの幸せを考えるとき、このような重要案件をわずか半年たらずで決めてしまおうとしていることに大きな危惧を感じます。幼保一体化ひとつを取り上げても、それぞれの保育園・幼稚園には半世紀もの歴史があり、私たちの不安と懸念は大きくなるばかりです。
 そんな今、私たちは「子どもたちと保育」を守るために次の事項について決議し、関係各方面に訴えてまいります。
  1. 財政最優先の「子ども・子育て新システム案」には絶対反対します。
  2. 日本の未来を託す子どもの育成には、責任ある国の予算が必要です。
  3. 憲法・児童憲章の理念に則った「幸せと思える子育て」を実現すべきです。
  4. 拙速な幼保一体化議論ではなく、真に子どもたちの健全育成のため、十分な議論を尽くすべきです。
  5. 子どもたちや保育を市場経済の「渦」に巻き込むべきではありません。
  6. 政府はこのような懸念の声に、真摯に対応すべきです。
平成22年11月6日
第29回九州私立保育園研究大会・宮崎県大会・参加者一同
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