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研修案内・保育ニュース

第58回 宮崎県保育事業研究大会報告

式典

平成23年2月18日(金)ワールドコンベンションセンター・サミットにおいて「第58回宮崎県保育事業研究大会」が開催されました。参加者は県内の施設長、保育士等、保育関係者で総勢435名を数え盛大な催しとなりました。

まず、理事長の挨拶では、「子ども・子育て新ステム」に対して公的責任が薄れてしまう懸念がある。また、子ども手当て等に対する財源の甘さが浮きぼりになる中、我々は知恵を出し合って子どもを地域と社会で育てていくことを考え、新システムに対しても声をあげて反対してく必要があると呼びかけられた。

来賓として、宮崎県子ども政策局長様と宮崎県議会議長様からの挨拶では、心と心を結びつける絆を大切に地域で子どもを育てる環境を今後更に考えていきたいと述べられた。
 
続いて永年勤続表彰では30年以上18名、15年以上32名の方々が表彰を受けられました。

記念講演

「”子ども・子育て新システム”を保育現場から考える」
【講師】黒川 久美 氏
  (南九州大学 人間発達学部 子ども教育学科 准教授)


今まで、保育に携わる職員が保育制度について考えながら子ども達の保育を実施したことは殆どないと思う。しかし、今、関心をもたざるえない、そう言ってられない状況になっていると考えている。自分たちの保育を豊かにしたいと日々子どもと向き合っていると思うが、今回の「子ども・子育て新システム」は中央集権から地方主権へという「地域主権改革」の中で保育分野を企業活動の対象にして産業化に位置づけるより具体的な制度となっている。それは、国が子どもの育ちに対しての保障(公的責任)を放棄することを基本戦略とするものである。

今、ワーキンググループにより五案提示されているが、どの案も利用者への現物給付という形をとり、福祉の形はなくなっている。利用者と事業者との契約(直接契約)となり、応能負担から応益負担へとかわり認定された時間をこえたら全額自己負担となり、利用者の状況に応じたこれまでの対応はなくなり、自治体が行うのは「必要性の認定」だけで全ては子ども園が行い、子ども園の責任となる。

子どものための子ども園は、その機能をなくし、利用者の消費者化が進み、私たち保育士が積み上げてきた養護と保育どころではなくなり、子どもも親も成長の場が喪失されてしまうだろう。「保育・子育ての充実は国と自治体で」と、今こそ一緒に声をあげていきましょう。と述べられた。

分科会

第1分科会 参加人数95名
石井記念ひかり保育園では、恵まれた保育環境を生かし昔から行っている保育について発表された。保育を通して子どもの喜ぶ顔を見ていると、保育士自身が保育を楽しむことができという、とても興味深い報告だった。
三股町主任保育士部会では、子育てに関する保護者アンケートの結果をもとに、家庭の状況に即した支援の方向性の検討結果を発表した。
助言者より恵まれた自然がなくても自分の園の特徴ある保育実践を行う事、又保護者支援をしていく中で、保育士としてのプロ意識をもって子どもにとっての良い保育を説明できるよう知識を高めておく必要がある。
社会制度が十分でない今現在、我が国では、私たち保育士が子どもたちの将来、ひいては未来の日本社会を担っていると述べられた。


第2分科会 参加61名
配慮を必要とする子どもの保育の充実と題して、串間市・宮崎市の二園から研究発表された。
串間保育園では、広汎性発達障害と診断された子に対して、絵カードや絵の時計を使って一日の流れがわかるように、保育を工夫することによって、パニックを抑えることができたり、落ち着きも見られるようになってきた。また、園内研修も深めることで、全職員で理解し、小学校や専門機関との連携を深めて支援されてきた事について報告された。
宮崎市の恒久保育園では、自閉症・ADHD・ソトス症候群・広汎性発達障害の子ども達が多数いる中で、クラスを2クラスに分け二体制の職員配置をとり、縦割り保育にしたことで、実年齢の子ども達ともつながりが持てるように配慮したことや、支援センターからも足を運んでもらい、本児の行動に対する理解を深め、保護者に寄り添った保育を心がけているとの発表がされた。
助言者からは、自分の子どもが他の子と違うことはわかっているけど認めたくない気持ちを理解し、母親が不満をぶつけられても聞いて親の気持ちを受け止めること。そして、何を悩んでいるかを察して親に寄り添い、子どもが傷つかないよう見守りながら子どものことを一番に考えて支援していくことが大切です。と述べられた。


第3分科会 参加者70名
「保育者の資質向上を図る」のテーマで発表、討議が行われた。
たちばな保育園は、保育士の立場から園での自主研修、研究保育、にこにこくらぶ(保護者との交流)に取り組んだ成果と課題について、木花保育園は、年間を通しての職員研修のあり方と、避難訓練の取組みと今後の課題についての発表があった。
参加者からは、職員研修のあり方や職員の意欲のついて質問が出された。
助言者より、質は目に見えないものである。専門的な技術や知識を常に身につける努力が必要であるとの助言があった.


第4分科会 参加者29名
子育てライフを支援するテーマに、善長寺保育園は保護者からニーズの高い一時保育や学童保育の現状報告(自主事業で行う事の利点・問題・課題について)。木脇保育園は保育所利用家庭の精神的支援が子育て支援につながる重要性をあげて発表された。
そして、その発表を基に参加者の主任児童員が地域ボランティアで取り組んでいる学童保育やサマースクールの事例をあげて地域ぐるみの子育ての重要性について話された。
また、参加園から虐待や育児放棄が見られる複雑化している家庭環境に伴う保護者支援の増加が上げられた。
最後に助言者から現代の保護者の心理的傾向の変化について具体的にアンケート結果をもとに今後増加するであろう子育ての孤立化・育児不安を抱える保護者支援の重要性について講義を受けた。
参加者は、保育園が地域民生委員やこども課などと連携を取って保護者支援を行う役割を担っている事を真摯に受け止めた。


第5分科会 参加人数50名
「家庭との連携による食育の推進」と題して、ひまわり保育園では園で行われている食育実践について、鏡洲保育園では一日の食事で一番大切な朝食に目を向け、子どもたちには「食べることは生きること」について伝えていくことの大切さや保護者への朝食アンケート調査について発表された。
助言者より、親との連携のとり方(親とのコミュニケーションをとり、まずは子どもを動かす)、子どもの食生活の状況把握の必要性(朝食 体内時計の調節)や今後の課題(必要な栄養の選択の育成等)について述べられた。


第6分科会 参加者人数45名
子育て支援による関係機関との多様な連携と協働をつくるという題で、二名の保育士が園(みずほ保育園・上町保育所)での事例をもとに発表された。
保育士と園児、保育士と保護者の関わりの中で、さまざまな問題を解決していくために保育士は、その時起こった問題を、誰が見ても分かるように的確に記録し、それを関係機関へ正しく説明・話し合う事で、早期解決につながる。
また、園の行事などを利用し、関係機関・相談員の先生を招き保護者の方々が、気軽に相談できるような環境づくりも園の大切役割ではないだろうか。いずれにせよ、保育士は、保護者と関係機関とのパイプ役 キーパーソンであることが重要であるとまとめられた。


第7分科会 参加24名
「子育て文化を育む」というテーマの下、高木保育園からはこれまで受け身だった地域との交流を期に分けたねらいを定め、計画的に行うこと、また積極的に発信することの大切さを、ゆりかご児童館からは、延岡市児童館部会の五つの目あてに基づいた様々な活動の報告が行われた。助言者より保育指針改定により子育て支援に取り組むことは、社会福祉法人としての当然の使命である、と認識しなくてはいけない、との助言で締めくくられた。参加者からも活発な意見が出て、実り多い分科会となった。


特別分科会 参加者42名
新子どもシステムが我々にとって、どのような問題点があるか。それぞれの保育園・保育士はどうなるのか。等の疑問点についてグループ討議が行われ、以下の意見があげられた。
  • この国は、人をどう育てたいのか?はっきり先が見えない。よく理解できない。子どもの本当の幸せは何か?
  • 都市部は保育改革を待っている。望んでいると聞くことがある。もっと養護と教育をアピールした方がよいのではないか。
  • 制度問題について、保育士や保護者にも行事毎に伝えていった方がよい。
  • 国の法的責任がなくなる。職員体制が不安、不満である。保育指針をどの様に考えているか?反対運動を盛り上げていきたい。
  • 地方のことを考えていない。都市部のつけを地方にまわすな!
  • 日本の保育は世界に誇れる最高の制度である。なぜ制度改革をおこなうのか?まだまだあきらめる必要はない。
今後の対応として、園内、保護者、地域の方々など少人数でも勉強会を行い、理解者を増やす事が大切である。市町村の議会等に訴えて意見書を出して頂く。インターネットや新聞等で広報していく。そして、改悪の大きな波を皆で防波堤を作り、阻止しなければならない。その為にも3月23日に東京で開催される決起大会へは、一人でも多くの方に参加してほしい。
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